永遠のイメージ/吉岡ペペロ
 
紙きれはいつも晴れていた

うすもやの水色の空だった

ぼくの死はひとをすこし忙しくさせた

木々はぼくがいたときよりも

はるかにいとしい世界観だった

公園のパノラマにひと影はなかった

ブランコはひとつの静謐だった

汗なのかなみだを拭っていた

ぼくは誰からも教わらずに知っていた

肉体はほろびたのだからこれは

たましいの本能というべきであろうか

ぼくは永遠のイメージだった

寂漠とセミが音を降らせていた

ホコリ臭い殉教の旅はいま終わりを告げた

中一の夏だった

棺にはトムソーヤの冒険の原書が

40分後に焼かれる骨肉におかれた







戻る   Point(6)