憂いの君/朧月
 
そうして君は
また悲しみを探してくる
見ようとしないでも
見えるなんて言う

君にかかればそこの
太陽に輝いてる木々だって
暑さに泣いている心細い命

君の細い腕を
僕が支えたいのに
君はまるで風のよにふわりと飛ぶ

膨らんだ風船のような
濡れた君の瞳に
僕は足止めされている
だけど言えないよ

悲しみだけが僕らの
色彩なんかじゃないって
伝えれば君が
もっと泣く気がして

窓から 風が入るね
僕ら今日 生きてるね
そのことに 君がもう少し
敏感なら 僕はうれしいのだけど






戻る   Point(2)