夏/
裕樹
少し遠いところで
子供たちの声がしている
日陰に座り
そして黒い日傘をさして
何を遮断しているのだろうか
あの女性は
蝉の声が喧騒よりも
むしろ静寂を呼んでいる
身動きもせず
公園の中心へ視線を置き
汗だくになりながら
生命のきらめきを迸らせる子供らを
見ているのか
見ていないのか
ひっそりとした暗闇に身を包み
その女性は
2度ほど低い温度を演出している
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