考える資格/吉岡ペペロ
ひとがしぬということは
思ったよりはるかに隠しきれない
百歳をこえたばあさんも
三歳や一歳のこどもにしても
どちらの場合も
この国からは金が振り込まれていた
ぼくはベッドで屁をこきながら
だれに同苦するかを考えていた
それはじぶんが傷つかないための
シミュレーションかもしれないし
ぼんやりとした不安を眺め回す
精神のメカニズムなのかもしれない
国民的歌手のがんなんかも
ぼくらはげんに消費しようとしている
ぼくは考えている
日本の国力の低下についてを
ぼくはどうなりたいのか
むねを紫いろに焦がしながら
ずっと考えている
もうなにもかも馬鹿らしい
そんな考えを思う資格すらないのに
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