Forgiven white blood/しろう
 
直後の村を通り抜けた事があった。焼け落ちたり崩れ落ちたりした家々の残骸のあたりで撃たれたまま倒れている住民もあったが、その村人のほとんどは、村の外れにある塹壕に集められて生きながらにして燃やされていた。敵対組織の連中にとっては貴重な弾薬を浪費するよりも安価な上に、最も手軽な手法だったのだろう。村人達は燃料になるものを自ら集めさせられたのかもしれない、と想像してみると、とてもじゃないがぞっとしない。
我々の部隊が到着した時には、まだ炎は燻っていて人体の燃える厭な匂いが漂っていた。それにしても人体が燃える時というのはなぜいつもこんな厭な匂いがするのだろう。
我々が祖国で食すステーキやバーベキューの
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