八月の子ども/
橘あまね
虫取りの子たちが
アジサイの茂みに見え隠れする
夢の色を追いかけて
おおきくなってしまった
ぼくは
その動きをなぞることができない
思い出して叫んでみても
ブランコの揺れと連動して
深まる季節は
鳴きかわす歌
敬虔
配色を誤ったので
受けとめることができない光に
かなしいプリズムが焼かれて
融けて
八月の風に
ふくまれていく
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