無頼ぶる光/
 
中で
不安定を推進力にして加速する特急に乗って
俺たちの住む駅をちぎりながら旅立ちたい

いつ見ても背中が
つるはし背負って燃え始めるところ
熱くないぎりぎりで生殺すと夜はそんなことしてる間に
おい終末に向かっているぜ、と
大声張り上げていやな加減で頬を叩く卑劣だ

左腕のセイコーが発火して垢の焦げる臭い立つ
屋上から短針が次々投身自殺している母校で
かなしみに興奮して勃起しそうな股間がそわそわしている
いやだ
もっと縦横無尽にしたい
というときのもっとというのはどこにあるんだいやだというのは

悲劇の真似してうちわを振っても空が飛ばない部屋から
別れる人々を選ばなければいけないとき
無頼ぶらなかった頃の光よ
おまえよりも年を食って想像の付かない俺になることを
いたましく思う必要はないのだ

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