イカロス/
結城 希
イカロスはもう、死んだ。
私は白衣を脱ぎ捨て
全ての接続プラグを外し
彼女を抱き上げた
眠り続ける彼女。
私は重い足取りで、一歩ずつ進む。
彼女の手が、指先が
最後に私の頬に触れ
そして私は 手を放した。
窓から
20メートル下のコンクリートの地面へ
落下した人形は ばらばらに砕けた
四肢は千切れ 歯車やネジが周囲に四散した
だから私も
彼女を追って、飛んだ。
(即興ゴルコンダより)
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