畳の部屋のあなたへ/とんぼ
誕生日おめでとうと言わないでと言われたから、言いません
だけどそれはあなたの本心ですか
それともつらかっただけですか強がっただけですか
どうか わたしのためでなければいいのだけれど
憎んでも忘れてもいいから幸せになってと、言ったのは本当にそう思ったからでした
あなたはわたしに何もできなかったと言うけれど
頭をなでてくれた隣で眠ってくれた
あのたくさんの夜がなんでもない毎日がわたしを救ってくれていた
道を歩いた自転車に乗った
カレーを食べた喫茶店に行った
おやすみ、で締めくくられたメールにおやすみと返したら、またおやすみって返ってきた
何もできなかったなんて言わないで
わたし
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