めぐり ひまわり/木立 悟
てゆく
熱が熱に生まれるところ
咲かない花のための庭
望む前に望みは在り
金や緑のかたちにつづく
尽きることのないものへ
尽きてははじまる波を放つ
窓に毒を吸われつづけて
夜は少しだけ明るくなる
擬音の庭にひらく手のひら
隔たりを隔たりに越えてゆく
銀河は昇り
声に混じる
影と木 影と木
行き来する火
雨が雨を送る
光は常に 音の後を追う
緑へ 緑へ
偏移する
遠く遠く 暮れであるもの
さらに遠く 溝であるもの
花のなかの息
片目つむるもの
悲しみがまぶしいとき
見えぬ指 見えぬ花
ふたりの子の背につもり
風のない径にはばたいてゆく
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