フルーツ家/
番田
楽しげな手応えを 夕暮れは手のひらで掴もうとしている
確かな 部屋一面の 公園が
たったひとりの 自分でもない 雷鳴の中
鋭いアパートの極彩色が聞こえている
テレビをつけると 亀裂音で
浮浪者たちの 真っ黄色のポスターの家のそばを 今日が通り過ぎた
誕生日も 私は黄ばんでいる
路地裏の豆腐屋の辺りにたったひとりだった
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