夏の総力特集 ・ 「陰毛を考える」 最終回/salco
せて古代へと続く(決して未来では無い)、今やだらしなく開いてぬめぬめと誘う洞穴を見下ろす時、
こんな事を毫も考えぬ女、この性惰な生き物に対する厭悪、侮蔑の念も生ずるからである。
ここで男の取るべき道は三つしかない。己が眼を潰して女房の座頭に生きるか、或は身体を去勢して宦官にでもなるか
出家するか、又は衆道に鞍を替えて遠ざかるか。しかしいずれの蛮勇も自棄も気(け)もない男は如何したらよかろう。
わたしは女から逃げる為に新しい女へ裏切り、その新しい女も懇ろになるや円みを帯びた白い肉体となって、わたしを
脅かして来るのであった。蕾のようであった女は鈍感で癇症になり、わたしに仕える傍ら
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