ボヘミアン/ホロウ・シカエルボク
いな
緩やかだが厚みのある風が
押し戻すみたいに吹きつけていた
砂埃はすぐにくちびるをざらつかせ
明かりひとつ見えない景色は
すぐに俺を徒労感で一杯にさせた
誰か車を走らせてここまで来ないだろうか
どうしようもない用事でドライブをして
そしてそのまま帰らなければならないようなやつが
車を走らせてここまでやって来ないだろうか?
まだ歩けなくなるまでには幾分余裕があったが
俺はすべての力を失くしたみたいにそこにしゃがみこんだ
物陰を探してどこかで眠ろうか、そんな考えも頭をよぎったが
ただただだだっ広くて
ベッドの代わりをしてくれそうなものはありそ
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