座る隣の仙人/番田 
 
何でもないような海の入り江としての
何ですらもないような亀を抱えている
私が元気なだけなのかもしれない
亀なのかもしれなかった


日の色は流れなのかもしれなかった
仙人を見つめていた
風の中にどこを知っているのだろう
中の何かを感じているのかもしれない


何かは街としてすら存在しないが
そこに存在するのは山としてすら存在しないのだろう
海がそこは存在するのかもしれなかった
仙人だけなのかもしれない


そんな気がする私だけだった
思いはどこまでも垂れ流されていく
ただ元気だけであるだけに疲れているだけ
何かである思いは何ひとつしないから

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