今日も何かをもらいたくて/番田　
　
ああ　あなたは山に
いなくなる　だから私だけは眺める
ああ　私だけは　色を
私なのであろう　港で
ああ　あなたとなって　見つめる

　歩いていく

純白の山を
消滅した　影として眺めている
ラムネ色の変色を
グレーになった　港で
木漏れ日として見つめている

母が手を伸ばそうとした　袋を
父がからめとるように
兄はそれに　賛同はしなかった
弟も共感し続けたままだった
母は　バックを凝視していた

　レジスターに

ああ　私は　歩く
ああ　私ではないと思って
ああ　私は　ラジオ体操に向かう
ああ　私はハンコを押してもらいたい
ああ　私はマックのポテトを　もらうために

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