られずに/
瀬崎 虎彦
箱舟の寡黙 見えざる夏の稜線を
朝まだきに眺めて 路上にあり
消えよ消えよと啼く鳥の声が
15年前のように息苦しくさせる
目を閉じて生きてゆけば良いのだと
あなたが言ったのだと
誤解したままここまで来て
すでに見失っていたのだと
私はまだ見つけられずにいます
端緒につけずにいます
思い切ることができずにいます
私はまだ見つけられずにいます
箱の中にいます
誰も私を見つけられずにいます
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