星々/Oz
 
っ暗闇に
「どうして?」
少し進んでみると
ソコにはいつもの世界があった
何だ、夢を見ていたのかと
後ろを振り返ると
ソコには自分の殻があった

蝸牛は
気付いていた
自分はもう自分では無いのだと
少なくとも
前と同じようには
あれないのだと

蝸牛は泣いた
涙を流さずに
泣いた

蝸牛は自分の殻を
マジマジと見てみた
何だ
特別良い訳では無いけれど
悪くない殻じゃないか
僕は今までこんな殻に住んでいたのか
そして、
コレは僕の一部なんだ
そう思うと
蝸牛は
少し元気が出てきた

気が付くと
体が光っている事に気付いた
目を閉じると
たくさんの星がまた
光り輝いていた
蝸牛はもう恐怖を感じなかった
瞼を通し
体の光りが映りこみ
目の前の星々と溶けていった
全ては
(目を閉じても開いても)
光りに包まれ
そして、
ゆっくりと
意識は消えていった
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