あれ、つまり、その/ヨルノテガム
 








 のっぴきならないのっぴ―のような
 蛙の声が雨音にまぎれるような
 御飯、パン、御飯、パンのような
 星空がスイッチのない電灯のような
 ゴミの日のカラスの合唱のような
 さつまいもが焼きイモになった焚き火のような
 リレーのバトンを落として絶望的な前との距離のような
 首を縦に振らない扇風機のような
 双子の白猫に振り向かれじっと見つめられたような
 今日が明日のような
 フケが多いなと思って頭掻いてたら
 雪が降ってきたような
 夏にかき氷のような
 たぬきがキツネに、キツネがたぬきに化けるような
 くしゃみと欠伸としゃっくりとオナ
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