火曜日の女/はだいろ
 

いま、帰って行った女の子は、
高級店の女の子。
いつものお店より、2倍近くも高い。
いったい、そんなお金をかけたら、
どういう女の子がくるのか、
経験として、知りたかった。


ぼくはもう、ものは欲しくない。
ものなんて、
いくら買っても、死んだら、
ものが残って、ぼくはいなくなる。
でも、
記憶や、経験や、思い出は、
ぼくだけのもの。
ぼくが消えたら、それで消える。
ぼくがいま、
欲しいものは、記憶だ。


わかちゃん(仮名)は、
高級店の看板の名に恥じぬ、美少女だった。
そりゃ、プライドの高さはあったけれど、
服を脱いで、ちいさな体に、
不釣
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