まるでおだやかな宿命みたいに/
ホロウ・シカエルボク
えに得られるようなものなら
ぼくは空缶を踏んづける
だれも殺さなかった君主のように
ほこりといらだちの
両方をつま先に込めながら
最初の車が静寂を裂き
きちがいはうたを忘れ
頼りなげなハミングしか
そこには残らなかった
なのでぼくは
コンビニエンスストアに
立ち寄って
パンを買って
食べながら帰った
そうだ
記憶は
朝露に
変わってゆくのだ
戻る
編
削
Point
(3)