ごわごわ/藤鈴呼
違(たが)う度に
一本ずつ 歪んで行くように なってるんだ
その嘘はね 必要不可欠なことも有れば
自分本位で発することもある
いいかい 良く お聞き
世の中 必要な嘘も
確かに有るけれども
嘘一つ 発する度に
髪の毛が 歪むように
心も 縮れて 行くんだよ
ピチッ。 少しの焦げ臭さと共に
目の前の髪の毛が 揺れた
たった10分の会話で 疲れ果てた老婆は
また 頑なに 口を 閉ざした
もう 二度と 嘘は 吐かぬと
懇願するかの様に
タイトル 或る嘘つき女の生涯
BY 星子アヤノさん
即興ゴルコンダ
投稿数 14 投票数 14
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)