洞窟にかける鍵/吉岡ペペロ
朝の11時だ、こんな中途半端なじかんに、もらって、喜んで
ガイドさん、また、通訳さんいなくなっちゃったよ、休憩室に声がはいった
おばちゃんたちは日本語が達者だ
だからいなくても大丈夫だ
いきなり公安が踏み込んできたら、そんなことはないだろうけど、シンゴはドアの鍵を閉めにいった
お母さんを困らせようとしてチェーンをかけた
オレはちがうけどな、
またヨシミを思い出していた
こんな隙だらけの気持ちのせいだ
今回の通訳がよくいなくなるのは
通訳は戻ってこなかった
シンゴたち一行が歩道にでるとバスのなかで電話しているのが見えた
バスが出発する
電話を終えた通
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