洞窟のそとで/吉岡ペペロ
日本人社長からだった
おい、カワバタくん、通訳がいなくなっちゃって、オレの中国語じゃどうにもならないんだよ、ケイタイにかけてもつながらないんだよ、
通訳は昼食のレストランに行ったのだろう、はやめの昼食でもとろうと思って、それはままあることだった
目の前の社長に状況を説明してシンゴは、失礼、と言ってレストランに電話した
通訳はやはりそこにいた
カワバタさんがいつも、食事は重要だって言うから、予約の確認に来てたんですよ、
そんなこと電話で済ませられるだろ、と思いながらすぐ戻るように言った
社長にことの顛末を説明し終えて
いや、これは私たちのミスです、これ
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