ひかりに照らされた洞窟/吉岡ペペロ
 
って、

さいきんシンゴはじぶんの部下に、いや、上司としてのじぶんに距離を感じていた
じぶんのイメージとじぶんとの差異
そんなものを感じていた

感覚的ではいけないと明確に目的や手順をつたえても部下に一発でつたわることはなかった
それが度重なると自尊心をやられシンゴは部下を怒った

ヨシミが電動自転車でいってしまってから一日もたたぬうちにシンゴは電話をしてしまった
コールが繰り返されるたびじぶんのなかで何かが傷つけられた
今あのころほどの爪痕がないのはヨシミに電話をしなくなったからだった
でもシンゴはそれが嫌だった

カワバタくんには家庭があるから、女の子はいつもどこか
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