「屈折」/ベンジャミン
 
僕はそのままの姿勢でいたかった
分度器ではかったような角度をたもったまま
もう起き上がらないでいたかった

まっすぐでいることは
まるで奇跡のようです

光は希望のたとえとして瞳の水晶に映ります
本当は幾多の屈折を描いて真実を映さずに
そのとき限りの幻を見せているだけでも

ゆっくりと姿勢を変えながら
僕は首をもたげて前を見ます

できるかぎり
まっすぐに
 
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