手紙/「ま」の字
 
行ってる気配だ。そこがほんとうの世界の中心だという。
 光を感ずるんだ。それもごくふつうの、ありふれた午後二時だ。たまらないね。脚色ヌキのただの光。クソ無愛想で、それでいて突き放すでもない。そんな無関心な様子。乾いた草の擦れあう音が、とつぜん横合いから盛り上がるように聞こえてくるんだぜ。

 無関心。そうだよ、そういう顔したにんげんが、ふとそこン所に腰掛けてたとしてさ、それがなにげなしにこちらを見る。
 ふふ。そこに味気ない隙間があってさ、オヤオヤな観念が起こってくるんだよ。自由。自由さ。きっとそこに俺の考える「自由」があるんだろうなあ、と、そう思えてならないのだ。

 もう俺のことは、死んじまったと思っといてくれてもいい。

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