アイスクリーム/藤鈴呼
蛍光灯
かろうじて モスキートなら 分かるって
小さな声で 呟いた
パワー溢れる バイク音に
一瞬にして かき消されたけれど
確かに 彼女は 呟いたんだ
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
気を抜いて 横たわり
抵抗が 出来ない時に
口の中で はじける 注射針
身動きが 出来ない
逆らう ことも
ヨダレを 垂れ流すことでしか
抗うことが 出来ない
言いたいことも 全て
飲み込んだまま
唾は 未だ
飲み込まない
麻酔が ゆっくりと 効いて
目の前まで 霞むような
苦い 感覚
揺れる 感触
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)