商業詩誌の潰し方/いとう
 
られ
るか、疑問を提示せざるを得ない。

 今後ますます媒体の垣根がなくなり大手サイトや出版
社がフラットに並び、これらコンテンツホルダーがホル
ダーとしてではなくコンテンツそのものとして「読者」
に提示されてしまう状況が確実にやってくる。そのとき、
それまでに商業詩誌が何もしてこなかったとすれば、た
だでさえコミュニケーション機能としての側面が強いネ
ットという媒体の台頭の中、その圧倒的なブランド力と
歴史と先行者利益が灰燼に帰してしまう可能性すらある。
それこそ文化の崩壊、暗黒時代の到来だ。そうならない
ために何をすべきか、それが今緊急に語られるべきこと
であり、「ネット詩の可能性」などは、その後ゆっくり
と談笑すればよいのだ。ネットと紙が対立するなどとい
う幻想が取り払われた後、両媒体が文化の担い手として
手をつないでいる状況の中で。


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