友達/光井 新
ある疲れた朝、本当に疲れ果てた朝、僕の身体は太いタイヤになった。どのくらい太かったかというと、僕の頭も肩も胴体もお尻も手足もパンパンになって、背骨が耐えきれなくって、身体が反りに反って丸まったくらい太かった。
その太いタイヤは空気でどんどんふくらんでいって、まんまるのボールみたいになって、四十五度の下り坂を転がり落ちていった。
夢じゃなかった。自分の身体に嫌悪した。
僕は汚い物が嫌いだ。女が嫌いだ。女は汚い。うんこも嫌いだ。
だけど僕は、何故女が汚いのかも、何故うんこが汚いのかも、考えずに、汚いと決めつけている。そして嫌っている。考えるのも嫌な程に、僕は女とうんこを嫌っている
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