私と何か/
番田
私の願望は何一つ
描きはしないだろう
何もかも知りつくしていた 絵画作品を
暗闇の奥に 凝視する
絵とは 風のようなものなのだろう
そして 私は言葉を飲み込んでいる
生きていくために 黙りこんだ
独り言を 鳴らしながら
冬の部屋の中で
外の風景をぼんやりと眺めていると
私は 本を読むことすらなく
風景をなくしてしまった
帰る道へと歩いた
机の上の 私は
私の近い将来のことも考えられなかった
私は 学生なのだろう
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