ノート(波際)/木立 悟
 


やわらかな魂のいる
逆さの方向から
血まみれの魂が来て
もういいんだ と言った



わたしは着ていた服を脱いで
一枚一枚かけていった



わたしは朝で
わたしは海で
わたしは裸だった



ずっとつづく血の跡が
波に消されてゆくのを
見つめていた






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