ノート(波際)/
木立 悟
やわらかな魂のいる
逆さの方向から
血まみれの魂が来て
もういいんだ と言った
わたしは着ていた服を脱いで
一枚一枚かけていった
わたしは朝で
わたしは海で
わたしは裸だった
ずっとつづく血の跡が
波に消されてゆくのを
見つめていた
[グループ]
戻る
編
削
Point
(3)