しみ/有末
 
その気負いが私には大層いとおしい、そんなことを言うときっと彼女は隠しきれない屈辱を半月から漏らしつつ、ありがとう、なんて返すのだろう。そうして堪らずに伸ばしたように向かってくる私の腕を拒絶できまい。衿持にかけてそれを許さない。可愛い彼女は!!

美しい文章を書く頭の良い女の子に抱く愛情は幾分か屈折していて、その真っ直ぐなほの暗さに羨望を覚えて半ば憎しみと嘲りを感じるがゆえに厄介なほど私を蝕むのだろうか。しかしこんな冷たい愛があってよいのか、私は自問しただ衝動の瞬間を待っている。

彼女のあまり美しいとは言えない顔に浮かぶどこかおどおどした窺いを覆う、鼻持ちならない衒学的な言葉とか、そこに垣
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