世界地図を、全部見た/番田 
 

何もない手に
私は 見る
空っぽな 自由を
私は 思いうかべるだろう

夜の中だった
空の そこかしこに
木の根として見つめさせられた
湖の音が 打ち寄せられていた

同じ色の名前をした 油絵の具で
絵を描こうとしたけれど
似たような絵など 私には描けなかった
破られた キャンバス

深夜の 部屋で
世界地図をたたんでみても
考えさせられることなどないから
夢を 見ることなどない


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