サクラ・憧憬/
照留 セレン
灯籠浮かぶ川の道
真夜中の夢のように
満ちていく花の香の
中に浸って居たかった
冷たさ残す風飾り
蝶々の群れのように
飛んでいく薄紅の
真下に立って居たかった
しとしと続く梅雨空に
在りし日の夢のように
思い出す春の日は
ソメイヨシノの苦い実の中
戻る
編
削
Point
(2)