泡日/たもつ
テレビなどを見ていると
むかし憧れていたアイドルたちが、みんな
おじさんやおばさんになっているのにビックリする
そりゃあ、僕らも歳をとるわけだ
で、最近、酸っぱいものが無性に食べたくなるのは
そのせいだろうか
+
正直に告白すると、七年前にも
無性に酸っぱいものが食べたい時期があった
できちゃったみたい
その言葉を聞いたとき
僕は無性に酸っぱいものが食べたくなった
世間一般の男たちのように
喜んだり感慨にふけったりするものだと思っていたのに
まるでただの知り合いを祝福するような
おめでとう
をあの日言った
+
僕はまた泡を吐いた
きちんと君に伝えなくちゃいけないことがあるというのに
口から出てきたのは
微かな僕の存在理由だ
気がつけば
となりで君も泡を吐いている
出会ってからお互い吐き続けた泡の数だけ
僕らは誤解をし
理解をしてきた?
朝から二人で
悪い人ばかり出てくるアニメを見た
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