アルバムの風景/番田 
 
父に会うといつも
私は刺身になっている
ワサビをなめると
高らかな笑いをする

母の姿を追いかけては
私はアルバムをめくり
母の顔を見つめていた
夕暮れの路地裏の影から

鳥の一羽がはばたいた
父の横顔を思い出した
ベンチの隅っこから
飛び交うエサに目眩がする

子供の頃の私は見た
夢のひとつすらなく
祭りに出向いては
未来をまぎらわせて





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