窓/真島正人
 
イルミネイションだけが
林檎の果実のように
重いというのか

すぐ帰結する解釈に
首を押さえつけられ
呼吸困難で
喉元が熱い

殺伐とした時代だから
こんなにも膨らむというのか
いじらしくなって
いとおしさに
ほぐされ

喫茶店の窓から見える町並みは
薄い皮膜の
神経の糸で繋がれ
バラバラになるのを
何とか抑えている

喫茶店の窓は
汚れてもいないのに
どんどんと雑巾で
ふき取られていく……

そしてやがて
窓からは何も見えなくなる
そのとき
僕は周囲から消えている

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