比重/真島正人
 
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった

あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える

夢が重みを増し
もともとそこには
量るものなどなかったのだと
大きな声が響く

窓の外は雨
大樹が濡れている
私は今日
帰る場所がない

昨日の重みに
縛り付けられて

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