参議院選挙へ みんなと行く/
オイタル
れて行く
腹の痩せた 猫も
結婚を間近に控えて
冷たい枕を抱えた次の従弟も
連れていく
あちらの曲がり角から
二人
むこうの信号の陰で
八人
さわさわと集う数百数千の
ただならぬ死の気配を羽織って
私は彼らを連れていく
無数のにぎやかしと無数の怒りと
わずかずつ残った
使い残しの選挙権とを掃き集めて
七月の朝の暗い小雨の
第三十二投票所の階段を
ゆっくり のぼる
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