クラウン/三奈
 
悲しき道化師の夢を見た

がらんどうに流れる残響
琥珀色の朝日

笑顔の仮面は外れることなく
重い鎧をつけたまま

笑いながら、泣いていた
笑いながら、怒っていた
笑いながら、哀れんで
笑いながら、死んでゆく


悲しき道化師の夢を見た


似た者同士の、私と彼
無惨なクラウン
暗闇ピエロ

二人の違いはささいなもの

涙の味
笑う喜び
輝く言葉

それらを少しだけ知っていた

ただ、それだけのこと

最後に映ったのは
箒星が描くシュプール


目覚めて感じた
鼓動と温もり

きっと今の私を
つなぎ止めているのは

ずっと、捨てられない
この温もりなのだろう
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