月曜の夜の晴れない日/霜天
 
夜の真ん中の
縁をなぞりながら
影だけの月の
少しだけ零れる明かりを
晴れることの出来ない日
ここでも
傘だけは、ある

夜に、越えられずに
息の詰まる深みを
ゆっくりと
息を入れ替える
夜更けの坂道のカーブを
左側の空へ
静かなアクセルを、踏み込む
月曜に静まって
日曜に取り戻す
明るさを繰り返す街は
夜の
その
ほんの少しの冷たさの下で
いつまでも、晴れない


誰のためにと
手にした傘を
考えることも遠くなる
恋だ愛だと繰り返す、終わらない
僕はそっと
傘を開く


晴れることの出来ない
ここにだって
傘だけは、ある
逃げ込むための
攻め込むための
戻る   Point(10)