雪道/山岸美香
 


気だるさに押されて足を進めた。
雪が降った道路は
ひとに轢かれ続けたから、
淀んで色を見出せなくなっている

震えた子供は一人では帰れない
しかし一人きりでも歩かなければ家には着けない

家に帰ればあたたかいだろう
濁った何者かを踏みしめて
いつもの様に歩いていく。
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