ネイチャー・小暑/橘あまね
雨を欲する街が
コンクリートのサバンナだとしたら
ぼくは群れからはがれた
いっぴきのガゼルになって
待ち伏せていた風に食われる
舐めてもいいよ、と
赤い花々のうつわがひらき
惹かれるままに惹かれる
どうしようもない現在進行形にただれたい
悶々
やるかたないぼくのネイチャー
ぼくがいっぴきの泳ぐ細胞になったなら
目的地は上流ただ一点の
泳ぎ着く先
帰りたいなあ
あとづけのふるさとに
帰りたいよ
草原をまねた街を捨てて
帰りたい
七月の閃光と轟音が
交互にやってくる
この街を巡回する
ひれ伏せ、ほとばしる生命たち
ひれ伏せ
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