ハウエヴァー/スプリング/エンズ/水川史生
 
白く溜息をつく 春を終えた相対の鍵
音符、と爪弾いて 等間隔を殺す君、残骸、ハレルヤ!
見誤っている 落下点が焦ってその中で羊水が跳ねた

ハウエヴァー 色を食っては放つ硝煙で
ハウエヴァー 君、と呟いて越す二十一年目の夜

足元に散る五線の形状で終止、書き込む狂乱で
君が指を噛み四拍子で止める 短調だ
さりとて黒白で打つ ストリングス(軽めで)の強度が
待ちわびては(淡いみたいに)喉を引っ掻く

ハウエヴァー 円盤の上で君はダンス
ハウエヴァー 水に揺られて君はダンス

ああ それは生まれる前を裂いて 嘔吐する君

ハレルヤ!
ハレルヤ!

黄色に潰れるセラミックで笑う午前 夜を掬って飲む格子
嘘みたいにタールに塗れて 色付けされる君だ
手足はしばられている 曲げて目を閉じて
新生を焦がれたであろう 約束にも似た

ハウエヴァー 身体中に残す譜面通りに
ハウエヴァー タイトル ハウエヴァー

ハレルヤ!
ハレルヤ!

終わったそれがまるで春であったかのように!
春であったかのように!
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