夜明けるクラクション/水川史生
 
雨の降る音のエンドレスループループループループ。
(聞こえない音が聞こえるという錯覚、朝の訪れを恐れている、太陽が殺しに来る、夜の足音が遠ざかる)
揺れながらにして落ちる、段落を刻みながら箱庭を夢見る
壊れそうな機械、僅かに跳ねる音階、探すことをやめているオーバーフロウ。崩れる。
四方に飛び散ったその欠片を集めるような憂鬱と、時計塔から誰かが飛び降りる。誰かの願望ごと。誰かの祈りごと。
逆様の墜落。こぼれおちる融解、溶けた錯乱を飲みほしては目隠しを引き裂く。(腐って抉られる眼球)
飲み干した水にどれだけの硝煙がくすぶっていたか、
(歩きもせず黙っている、震えては手を振り
[次のページ]
戻る   Point(2)