生きるひと/
恋月 ぴの
らかんと
欠けた前歯を隠そうともせずに
生きているんだって実感に喜びを見出していたのかも
う〜ん、なんとかならないかなぁ
誰かにつけられているような気配に振り向きたくなるぐらい
早々とシャッターを下す商店街はあまりにも寂しい
うっかりと時給につられて転職したバイト先
複雑な人間関係に困惑する毎日で
あの野良猫に猫跨ぎな愚痴のひとつも聞いて欲しくて
蒸し暑すぎる文月のおまんじゅうみたいな月明かりをたどる
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