Undone/寒雪
 


しゃぼん玉が弾ける
思い出せない昔の夢だ
もう
差し延べられる手は白く塗装された
僕のために建てられた記念碑


絡め合うカラダ
メンソール味のキス
きみの口から漏れる
甘い吐息と
ぼくの皮膚から立ち上る
白い湯気が
微妙な角度で交じり合う
刹那
ぼくらは嗚咽を上げる


夕陽がゆっくり
闇に追われるように沈む
その時
おまえの爪先を
おまえの愛撫を
おまえ自身を感じられれば
 おれは堕落していくだろう
  そうありたいと望むだろう


目前の希望や絶望には
めくらであっても構わない
二人がひどく孤独で孤立しても
おれを引き裂くことが出来るくらい
おまえがそばにいてくれるのなら
堕ちていくことは
むしろ必然


おめでとう
ぼくらのために毒入りケーキを

戻る   Point(0)