ブルースは熱と湿度で少し間延びしている/ホロウ・シカエルボク
 

俺は楽しませてもらうよりは楽しみたいんだ
本当に心を躍らせてくれる出来事はきっと自分の中にしかないのさ
どこを触れば感じるかなんて
一番知っているのは自分自身で間違いないだろう
そんなことはいつでも試すことが出来るんだから
やらないよりはやっておいた方がマシなのさ
時々コミックを読んだり
セクシーなピンナップを見たりしながら
これだけは最後まで書いておかなくちゃいけないんだ
気付いたら空は曇り始めていた
北の空にいた雨雲がやってきたんだ
ずいぶんと足を速めたもんだな
この季節は誰でもがさっさと用事を済ませたがって
そのくせなかなか簡単には片付かなくって
まったく閉口ものときたもんだ
野良犬も
ギタリストも
アイス・クリームの売り子も
休暇を欲しがる友達も
マルティン・ルターをマクドナルドに置き忘れた間抜けも
とりあえず
雨宿りだぜ
俺は
ディスプレイを離れて
洗濯物を取り込む
まったく
すっきりと乾くまで
ちっとも
待ってくれやしない




戻る   Point(2)