多忙な週末/ホロウ・シカエルボク
なく殺される眠りがあって
その傷口の痛みに耐えられるやつらだけが
美味いステーキにかぶりつくことが出来るんだってさ
正直言ってそんなこと俺にはどうでもよかった
どこかに属することで生まれる誇りなんかに
本当の気高さなんてないんだって判っていたからさ
だから俺は女の腰のあたりを蹴り飛ばした
クイックモーションのバックドロップで投げられたみたいに女が転がると
肌色のパンストの根元に冴えない下着が見えた
あれはきっとユニクロかどこかで買えるやつだぜ
そんな下着を穿いてるやつが哲学なんか語るべきじゃない
女はしばらく痛みに耐えて倒れたままの姿勢でじっとしていた
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